3.11

手編みのセーター
レース編みのテーブルセンター

近所に住んでいた石山さんちのおばちゃん

いつも美味しい紅茶とお菓子があって
優しく穏やかに微笑んでいる・・・

それが私の記憶の中にいる石山さんちのおばちゃん。

遊びに行ったついでに手ほどきを受けて
おかげで編み物が自然に身についたこと・・・感謝しています

一人娘の恵子さんが
わたしの父の従兄弟と結婚して宮城に行き
その後おばちゃんは一人暮らしをしていましたが
やがて恵子さんの元へ引っ越して行った

私に娘が生まれてからは
手編みの白いブーケやピンクのセーターなど
成長を追って実家の母経由で贈っていただいた

足が不自由になって施設にいたことも知らずにいて

知ったのは あの3.11の後


避難する施設の車が津波に襲われた


小町(愛犬)が引っ張ったセーターの糸を元に戻そうとかぎ編み針をさがして
これはおばちゃんにいただいた物・・・
あーそういえば・・・と


悲しいから考えまい

辛いから思うまい

そうやって逃げていた

3.11
大切な人々の命が
心の中に酷に鮮明によみがえる日

あとひと月で一年も経つとは





    ☆〜      

           ☆〜